資料室
このページは二つの部分に分かれています。前半は演奏会や解説文でよく出会う言葉を短く整理した用語集、後半は自分で調べたくなったときに使える公開資料の案内です。
用語集
- 総譜(スコア)
- 全楽器のパートを縦に並べて書いた譜面。指揮者が使う。市販の小型版は「ポケットスコア」と呼ばれる。
- パート譜
- 奏者が譜面台に載せる、自分の楽器の分だけが書かれた譜面。総譜と対になる。
- ボウイング
- 弦楽器の弓を上げるか下げるかの指示。首席奏者が決めてセクション全体で統一する。
- ゲネラルプローベ
- 本番会場で本番同様に行う最終リハーサル。略してゲネプロ。
- 分奏
- セクションごとに分かれて行う練習。弦分奏、管分奏など。
- トゥッティ
- 全員で演奏すること、またはその部分。独奏に対する語。
- カデンツァ
- 協奏曲の中で独奏者が単独で技巧を披露する部分。元来は即興だった。
- 移調楽器
- 譜面に書かれた音と実際に鳴る音の高さが異なる楽器。クラリネットやホルンなど。
- 雛壇
- 舞台後方の段状の台。後列の楽器の音を客席へ通すための音響上の構造。
- 残響時間
- 音が止まってから聴こえなくなるまでの時間。ホールの性格を決める基本的な指標。
- 定期演奏会
- 継続的に開かれる楽団の主軸となる公演。年間の会員制度を伴うことが多い。
- 客演
- その楽団に所属しない指揮者や奏者が、特定の公演に招かれて出演すること。
自分で調べるための資料
楽譜を読む
著作権保護期間の切れた作品の楽譜は、公共の楽譜アーカイブで総譜・パート譜ともに無償で閲覧できます。読譜の力がなくても、総譜を眺めて「いまどの段が込み合っているか」を見るだけで編成の理解は進みます。
楽器を調べる
各楽器の構造、音域、奏法の分類は、演奏家向けの楽器学資料が体系的です。音域表が図で示されているので、なぜある楽器がある場面で使われるのかが視覚的に理解できます。
音響を調べる
ホール音響の測定値や設計思想は学術論文の領域になります。学術論文プラットフォームで音響学分野を検索すると、実際のホールの残響時間の測定例にあたれます。
制度と統計を調べる
文化政策や助成制度は文化庁が、国内楽団の活動統計は日本オーケストラ連盟が資料を公開しています。古い演奏会記録や音楽関連の刊行物を探す場合は国立国会図書館の蔵書検索が出発点になります。
調べる順番
何かを詳しく知りたくなったとき、どこから当たるかで手間がだいぶ変わります。おおまかな順序としては、まず作品名で楽譜を探して編成と楽章構成を確認し、次に個々の楽器について調べ、必要なら制度や統計にあたる——という流れが効率的です。楽譜は事実そのものなので、解説文を読む前に一次資料を見ておくと、読んだ内容の位置づけが分かりやすくなります。
用語集(続き)
- プルト
- 弦楽器で一台の譜面台を共有する二人一組の単位。前方のプルトほど責任が重い。
- ピッツィカート
- 弓を使わず指で弦をはじく奏法。輪郭のはっきりした点として響く。
- ヴィブラート
- 音を細かく揺らして豊かにする奏法。かけない選択も表現のひとつ。
- ミュート(弱音器)
- 楽器に取り付けて音量と音色を変える器具。金管では朝顔に差し込む。
- オーケストラ・スタディ
- 管弦楽作品中の難所を抜き出した練習課題。入団審査で用いられる。
- ベルアップ
- 管楽器を上へ向けて構え、音を客席へ直接飛ばす奏法指示。
- コスト病
- 生産性を上げられない分野で費用だけが上昇していく現象。舞台芸術が典型例とされる。
- 14型・12型
- 弦楽器の編成規模の呼び方。数字は第一ヴァイオリンの人数を指す。
用語の背景を追いたい場合は、楽器セクション入門とプログラムの組み立て方に本文の解説があります。
